なんちゃって企画書を作ろう

photo_21.jpgさんざん悩んで絞り込んで決めたミニサイトテーマ。
きっと今、そのテーマがあなたの頭の中でダイヤモンドのように輝いていることでしょう。将来どんなサイトに育つか、どれだけの人に見て役立ててもらえるか、夢と期待でいっぱいのはず。

時は金なり、鉄は熱いうちに打て!
さっそく制作開始だ!

・・・と走り出したい気持ちはわかりますが、ちょっと待ってください。

あなたの頭の中にあるのはダイヤモンドはダイヤモンドでも「原石」。カットの仕方を間違えれば価値は激減します。どんなデザインにするのか、研磨には何を使うのか、最終的にどんな作品に仕上げたいのか、まずは机上での設計が必要です。

ミニサイトにおいては「企画」という作業が必要です。
決めたテーマをさらに揉んで、より具体的に「どんなミニサイトを作るのか」明確にしてゆく行程です。ミニサイトの肝は「訪問者がぱっと見で全体把握できる」わかりやすさです。そのためにも設計図が必要なのです。

ミニサイトの企画にあたって意識したいポイントは3つ。

1.ミニサイトの全体像を明確にする
2.テーマだけでなくその先にいる「想定ユーザ」を意識
3.最後まで「作り切る」ためのタスク管理


ミニサイトの全体像を明確にする

ブログとミニサイトの制作過程で大きく異なるのがここ。

ブログの場合一般的に、テーマが決まれば割とすぐ「制作」に着手することが多いと思います。「走りながら考える」「記事を書き溜めながらじわじわ作り込んでいく」
のがブログならではの制作過程かもしれません。なるべく自由なスタイルでたくさんアウトプットをし、その中で方向性を探っていくというのが向いていると思います。

一方でミニサイトは、いわば一冊の単行本のようなもの。
しかも無駄なくさくっと読んで理解できるコンパクトサイズである必要があります。

作り手自身がゴールも見えず、全体像も不鮮明なまま制作に着手してしまえば、それは設計図のない家づくりのようなもの。無駄に肥大化させ、結果いつまで経っても完成の目途がつかなくなる事態を防ぐためにも、いきなりサイト制作や記事作成に入るのではなく、最初にサイト構成やデザイン、作成するコンテンツの一覧やできればスケジュールまで含む「ミニサイト企画書」を作りましょう。


「テーマ」だけでなくその先にいる「想定ユーザ」を意識

最初に企画を練って、どんなミニサイトを作るのか徹底的に自問自答することが重要です。

とりわけ「想定ユーザ」。サイト作りでは往々にして「発信する情報のテーマ」に意識が集中しがちですが、本当に大事なのは「その情報を必要としている人」により意識を向け、その人たちがどんな情報を必要としているのかをしっかり調べる事なのです。

当然といえば当然で、マーケティングでも「ニーズ分析」の重要性は耳が痛くなるほど語られています。でも実際にサイト作りをすると、「このテーマならカテゴリはこんな感じだろう」「○○についてのサイトだから記事内容はこういう感じだろう」と、すべてミニサイトの「テーマ」を起点とした内容になってしまいがち。

結果、「それっぽいサイト」にはなれど、訪問者に「こんなサイトを探してた!」という感動は与えないサイトになってしまうのです。

そうしないためにはやはり、最初に「想定ユーザ」がどんな人なのか、しっかりそのニーズや抱えている課題・悩み、情報を必要とするのがどんなタイミングでどういったシチュエーションの時が考えられるかなど、自分自身にも重ね合わせ、かつ周囲の人にもヒアリングしながらしっかり情報収集・把握・理解しておく必要があるのです。


最後まで「作り切る」ためのタスク管理

私は最初の段階で、作成すべき記事(コンテンツ)の一覧を全部書き出します。余力があれば、それぞれの概要も短文で書き添えます。そして不足しているものがないかどうか、重複している内容がないか、分割したり統合したほうがいいものがないかなど、その一覧を見ながら精査します。

こうした一覧を最初に作るのは、必要な記事を漏れなく作成しかつ肥大化してコンパクトサイズでなくなってしまうのを防ぐためですが、同時に自分自身の「タスク管理」のためでもあります。

「そんなタスク管理、まるで仕事みたいで嫌だなあ」
「一人作業なんだからもっと自由でいいのでは」

と思うかもしれませんが、仕事ではないからこそ、そして一人作業だからこそ「タスク管理」は必要なんです。

単独で、かつ仕事とは別に取り組むミニサイト作りでは、誰も期日管理をしてくれませんし、予定通り作業できていなくてもそれを指摘してくれる人はいません。そんな中で地道な作り込み作業をするのは結構な精神力が求められます。企画を最初にしっかり作ることは、ミニサイトのゴールだけでなく、そこに至る道のりと作業量も可視化して、それによって進捗状況を把握しモチベーション低下を図ることにもつながります。

ミニサイト作りにおいてタスク管理が重要なもうひとつの理由は「作業時間の見積もり」です。サイト制作を途中断念する人の多くが「時間がない」をその原因にあげています。

「時間がない」というのは本当でしょうか?そもそも仕事をしていたり、家族がいたり、その他もろもろの雑務がある日々の中でサイト制作にまわせる時間なんて当然限られてきます。でも「ない」わけではなく「ある」んです。要は時間がないのではなく、「何時間ミニサイト制作にまわせるか」という"持ち時間"の読みと、実際にこのサイトを作るのに何時間かかるかという"工数"の見積もりのどちらか、あるいは両方が甘かったということなんです。

時間は有限です。その時間内で作れる作業量のサイトかどうかをしっかり見極め、必要であればさらに規模縮小するなどして無理ない制作スケジュールを組むためにも、最初の企画は欠かせません。


ミニサイト企画ってどんなもの?

それではさっそく企画書を作ってみましょう。
・・・というと、ちょっと肩に力が入ってしまうかもしれないので、ここでは

「なんちゃって企画書」

と名付けておきましょう。誰かにプレゼンするわけではないので、格好良く仕上げる必要も難しい言葉を並べる必要もありません。要は自分が今からどんなミニサイトを作るのか、自分自身でしっかり把握できればいいのですから、フォーマットも自由です。

例えばこんな感じ。

これはあくまで一例です。

私自身も、作るミニサイトごとにどういった項目について考えまとめるかは変えています。ただこれは比較的どのようなカテゴリのサイトを作る上でも共通する項目ですので、ひとつの「ベース」として認識していただけたらいいかと思います。

・サイト名
・説明文
・バックグラウンド
・想定訪問者
・サイト構築概要
・コンテンツ
・管理人強み
・タスク・課題
・集客プラン
・将来のマネタイズ
・スケジュール
・その他

それぞれの詳細についてはまた後日、まとめたいと思います(もしくは管理人書籍でも解説をしています)。


ミニサイト企画どうやってまとめる?

先ほどA4見開き2ページの企画書例を紹介しましたが、作成方法は自由です。
形式にこだわる必要はありませんので、自分にとって一番楽な、そして後から書き足しやすい方法・フォーマットを選んでください。

こんな風に真ん中にテーマを書き、興味を持った背景やコンテンツ案など書き出していってもいいでしょう。次々書いていくうちにテーマ自体が変わってゆくこともあるはずです。大事なのは・・・

「書き出すこと」

です。
頭の中のアイディアや知識、情報を全部棚卸し、目の前に並べることで、漠然とした「テーマ」がより具体的なものとなり、やがて「ミニサイト」として結実するのです。

方法は他にもいろいろあります。

  • 一冊専用のノートを買って作成
  • 「メモ帳」などのテキスト作成ソフトで箇条書き
  • 「Evernote」など使いスマホ&PCの両方から書き込む
  • チラ裏に書きなぐる


作成したミニサイト企画書は、サイト完成まで目につく場所に

こうして作ったミニサイト企画書。
サイトが完成するまで、なるべく目に入る場所に置いておきましょう。

私はA4一枚あるいは見開き二枚くらいにまとめることが多いので、それをクリアファイルに入れ、机の上の定位置に置いておきます。そしてデザインを決める時や初期設定、記事の作成などの時にはそれをパソコンのキーボードの横に置きます。

「自分は何を作ろうとしているのか」
「誰のどんなニーズを満たすためのものか」
「今この作業は、全体の中のどの部分なのか」

ミニサイトならではの、コンパクトにまとまった密度濃いコンテンツにするためにも、また軸がぶれてしまわないためにも、この企画書をまさに「設計図」として拠り所にしながら作業を進めていきましょう。

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ミニサイト作りの肝は「テーマ設定」