ミニサイトって何?
「小さなサイト?」
「ブログとは違うの?」
実を言うと「これがミニサイト」という定義はありません。多様な「ミニサイト」の形があると思いますし、その定義にこだわる必要も縛られる必要もありません。ただ、この講座においては、ミニサイトの特徴として下記4点をあげておきます。
- 絞り込んだニッチテーマ
- コンパクトサイズ
- 全体設計かっちり
- 短期で制作可能
絞り込んだニッチテーマ
限られた"時間"と"マンパワー"でそれなりに内容の濃いサイトを作って運営していこうと思ったら、最初にきちんとテーマを絞り込んでおくことが肝心。
身の丈越えた壮大なテーマを選べば、制作・運営作業が大変になるだけではありません。コンテンツとして薄っぺらい中途半端なサイトになってしまいます。
例えば漠然と「水族館情報を集めたサイト」を作ろうとするのはちょっと無謀ですよね。それではどう絞り込むか。切り口はいろいろあります。例えば一番シンプルなのは、自分の住んでいる都道府県内だけの水族館を徹底紹介する方法。カメラ好きの方なら、水族館で上手に写真を撮る方法だけを紹介する専門ノウハウサイトも面白いかもしれません。展示されている中で「くらげ」など特定のジャンルに絞って焦点を当てるのもありでしょう。
もちろんニッチすぎると「誰も来てくれない」サイトになる可能性もあり、"程よい"絞り込み度合いを探ることが必要となります。
「ミニサイト」として程よく絞り込んだテーマを設定することで、掲載するコンテンツの質をあげ、そのテーマに関しての情報網羅性を高めることができます。そしてピンポイントにその情報を求めていた訪問者の満足度をあげることができるのです。
コンパクトサイズ
「コンテンツは多ければ多いほどいい」
「1ページ2000文字以上は必要」
そんな話が一時期声高に叫ばれ、記事を昼夜量産していた人もいます。もちろん検索エンジン対策という観点からコンテンツ量が重要な要素のひとつなのは確かだと思います。ただそれも・・・
- どういうテーマでどんな切り口のサイトを作るか
- 誰をターゲットにするのか
- 集客戦略をどう考えるか
などにより変わります。
何より、もし検索エンジン対策のためだけに水で薄めたような読み応えのない記事を量産するのだとしたら、それは貴重な時間の浪費ではないでしょうか。
サイトの最適コンテンツ量はテーマ次第。
テーマを考える時点で、「この内容だったらどのくらいのボリュームが必要か」という見積もりを立てて検討することが大切です。必要なコンテンツ量は制作に必要な時間数・労力にもつながってきます。
時間・マンパワーが有限な中、コンテンツの「質」と「量」は反比例の関係となります。より質の高いサイトを作るためには、無理のない時間数と労力で作れるコンテンツ量のサイトを企画する必要があり、そのためにも先にあげた「テーマの絞り込み」が重要になってきます。
"コンパクト"であることは訪問者メリットにもつながります。
個人ブログやソーシャルメディアにより、ネット上の発信される情報量は急増しました。そんな情報過多な状況は一長一短。あふれんばかりの情報の中から自分にとって必要な情報を探し出すのに労力が必要となってしまうのです。ブログ単体でも同じことが言えます。時系列に記事が並ぶブログは、運営歴が長ければ長いほど記事数も多くなり、膨大な記事ストックの中から目的のものを探すのは容易ではありません。
ミニサイトでは、サイトを初めて訪れた人でもパッと見でサイト全体の内容を理解し、必要な情報に直行できるよう、トップページに目次をわかりやすく配置する作りが一般的です。また記事一覧をただ時系列で並べるのではなく、書籍の章立てや雑誌の特集などのように読み手ニーズをベースに順序だてて配置していきます。
話上手な人の特徴は、「要点が何か」を的確に理解・把握していることだそうです。そして手短かつ誰にでもわかりやすく説明できるスキルを持っています。
サイト作りでも同じことが言えます。訪問者視点で「求められているものが何なのか」を真剣に考え、掲載する情報の取捨選択・優先順位付けをする。それによって「小粒だけどキラリ!」光る、そんなミニサイトを作る出すことができるのです。
全体設計かっちり
ブログとミニサイトの大きな違いがここです。
ブログの魅力に「手軽さ」「自由度」があります。従来のサイトと違いHTML知識皆無でも始められ、全体の構成や記事順序なども考えず、体験したことやニュース記事を読んで抱いた意見など、その場その場で自由に書いていける気楽さがあります。
一方それゆえのデメリットも。新着記事を次々読んでいく分には不便ないのですが、いざ過去の記事ストックの中から必要な情報を探し出そうとした時、ブログ全体だけでなくカテゴリ内も時系列で並んでいるだけなので少々難儀するのです。玉石混合かつ膨大な量の記事群は、カテゴリやタグでざっくり整理されているだけ。体系だって整理されているわけではないため、何か調べたいことがあって訪れた人にとっては「全体が見渡せない」デメリットがあります。
そんなブログの不便さを解消し、ある程度かっちりした構成で情報をまとめてみようというのが「ミニサイト」です。トップページも時系列ではなく、記事を探しやすいよう切り分け整理し、目次として並べます。初めて訪れた人にとって「どんな内容のコンテンツか一目瞭然」「必要な情報に迷わず行ける」そんなレイアウト・誘導を目指した構成が一般的です。
短期で制作可能
「サイト作りに挑戦してみたい!と思いながらはやウン年」
そんな人が私の身の回りにはたくさんいます。きっと作ったらヒットするだろう面白いアイディア、困ってる人の役に立つだろうテーマを抱えているにもかかわらず、です。その大きな要因は「時間がない」こと。着手はしたものの完成せずに塩漬け状態という人もいます。
テーマを絞り込んだコンパクトなミニサイトは、制作に必要な時間も少なくてすみます。また基本「完結型」のため、ブログのようにずっと更新し続ける必要もありません。
もし週末2時間ずつを使えるなら、2か月で16時間。小さなサイトなら完成まで持ち込めなくはない時間です。時間をかければかけるほどいいサイトができるかというと、そうとも限りません。熱しやすく冷めやすい自分の場合、長引けば長引くほど集中力と初期の情熱は低減し、当初の目標やサイト企画の軸自体がぶれてしまいます。
私がお勧めしたいのは「サイト作りに投下できる時間」をしっかり計算し、その範囲内で作れるサイトを企画することです。無理なくストレスなく、隙間時間を上手に利用してサイト作りを楽しめる~それもミニサイト作りのメリットのひとつです。